多くの外国人は、社会保険に悩んでいる。

例えば、日本企業に勤めている、あるネパール人は、社会保険に入ることになって、給料の手取りが大幅に減ることにビックリして、私のところに相談に来た。「日本に永住できるかどうかわからないのに、厚生年金は何の意味もない」というのだ。確かに、永住者のビザをもらったのであればともかく、永住できるかどうかわからない段階で、65歳になったらもらえる年金の権利なんて議論しても意味がない。

しかし、残念ながら、社会保険には加入しなければならない。それは義務だからだ。

現時点では、社会保険に加入していないことだけを以て、在留資格の変更や在留期限の更新を不許可にしてはならないという建て前になっているが、マイナス要素には違いない。

法律的には、社会保険への加入を断ることはできないし、不加入を主張し続ければ、会社としては、法律を遵守するために、その外国人を解雇せざるを得なくなるだろう。

残念ながら、社会保険には入るしかないのである。