・対象を間違う
敬語に慣れていない内は、対象を間違えて用いてしまう間違いが多いようです。間違いやすい表現について、いくつかご紹介します。

・「お世話様です。」「ご苦労様です。」
ねぎらいの言葉として目下の人に使う言葉です。目上の方に使う言葉ではありません。

「お疲れ様です」
ねぎらいの言葉ですが、こちらは目上の方にも使用されている傾向にあります。

物に対して敬語を使う必要はありません。例えば、相手の持ち物などを褒める場合「すてきなバッグでいらっしゃいますね。」という表現は誤りです。「すてきなバッグですね。」で大丈夫です。

・「お話ししてください。」…誤りが無いようですが、「して」は命令を意味する表現ですので、「お話しください。」が正しい表現です。また、「ください。」には、「してほしい。」の意味が含まれていますので、してほしいという気持ちは、それだけで伝わります。

・「(私は)お仕事をします。」…自分に対して「お」や「ご」を用いると幼い印象になってしまいます。言葉を丁寧にしようとして「お」や「ご」を用いる事が逆効果になる場合もあります。「(私は)仕事をします。」が正しい表現になります。

【ビジネスシーンで用いる敬語】
ビジネスシーンで良く用いられる表現について、ご紹介します。丸ごと暗記しておく事をお奨めします。

◆話しかける
「お忙しいところ失礼いたします。」「今、お時間よろしいでしょうか。」…話しかける時は、相手の都合に配慮している気持ちを伝えた上で、話し掛ける事を心がけてください。

◆意見を聞く
「いかがでしょうか。」…上司または目上の人に提案がある時に用います。
「いかがなさいますか。」…上司または目上の人の要望を確認する時に用います。
「いかがいたしますか。」…上司または目上の人に、自分がどうすればよいか相談する時に用います。

◆電話の応対
「お世話になっております。」…あいさつの次に使用する言葉としてよく用いられます。
「少々お待ちください。」…取り次ぐ際に、相手待ってもらう事を告げる時に用います。
「あいにく席を外しております。」…「いません」と直接的な表現は避けます。